デバイスフロー (OAuth 2.0 Device Authorization Grant)

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デバイスフローとは

RFC 8628 (OAuth 2.0 Device Authorization Grant) は、2019 年 8 月に Proposed Standard になった仕様です。 Web ブラウザ非搭載のデバイスや、文字入力が困難なデバイスが API クライアントとなる場合に、ユーザーの承認に基づいてアクセストークンを発行する認可フロー(デバイスフロー)を定義しています。

デバイスフローの動作

デバイスフローでは以下の状態を前提としています。

  • ユーザー: Web ブラウザの使える端末(例: PC、スマートフォン、タブレットなど)を利用可能
  • クライアント: インターネットにアウトバウンド接続可能なデバイス(例: TV、家電など)
  • 認可サーバー: 「デバイス認可エンドポイント (Device Authorization Endpoint)」をクライアントに公開するサービス(例: 動画配信サービスなど)

フローの概要は以下の通りです。

  1. **クライアント(デバイス)**は、認可サーバーの「デバイス認可エンドポイント」に、「デバイス認可リクエスト」を送信します。
  2. 認可サーバーは「デバイス認可レスポンス」をクライアントに返却します。このレスポンスには主要なパラメーターとして以下が含まれます。
    • user_code: ユーザーを経由して認可サーバーに提示されます。
    • device_code: クライアントがトークンリクエストを行う際に使用します。
  3. クライアントuser_code をユーザーに提示します。
  4. 以下の処理が並行して行われます。
    • クライアントは認可サーバーのトークンエンドポイントに対し、device_code を含むトークンリクエストを行います。これは基本的にはトークン(あるいはエラー)が返却されるまでポーリングすることになります。
    • ユーザーは Web ブラウザを用いて認可サーバーにアクセスし、ユーザー認証と user_code の入力を行った上で、クライアントに対するアクセス付与を許可します。
  5. 認可サーバーuser_code の検証を行い、その user_code に対応する device_code を含むトークンリクエストへのトークンレスポンスとして、アクセストークンを発行します。

以上のフローによってクライアントはアクセストークンを取得し、以降の API アクセスを行うことになります。

Authlete のデバイスフロー対応

Authlete はバージョン 2.1 以降でデバイスフローをサポートしています。 このバージョンにて新規追加・機能拡張された以下の Authlete API を活用し、デバイスフローに対応した認可サーバーをシンプルに実装可能です。

  • /device/authorization API (新規)
    • デバイス認可リクエストを処理します。認可サーバーは、クライアントから受信した「デバイス認可リクエスト」を基本的にほぼそのままこの API リクエストの値として送信します。 Authlete はその内容を検証し、user_codedevice_code を含む「デバイス認可レスポンス」の内容を生成して、認可サーバーに返却します。
  • /device/verification API (新規)
    • user_code を検証します。
  • /device/complete API (新規)
    • デバイス認可フローの承認・否認を処理します。その処理結果が /auth/token API のレスポンスに作用します。
  • /auth/token API (機能拡張)
    • トークンリクエストを処理します。 grant_type=urn:ietf:params:oauth:grant-type:device_code と、同グラントタイプにおける device_code に対応する機能が拡張されています。

デバイスフローの処理の設定はサービス管理者コンソールから行います。

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