OAuth / OIDC クライアントの JWK セット設定

OAuth / OIDC クライアントの JWK セット設定

はじめに

OAuth / OIDC クライアントから受信したリクエストオブジェクトの署名検証や、OAuth /OIDC クライアントに提供する ID トークンの暗号化を行うためには、署名検証・暗号化に用いるためのクライアントの公開鍵を Authlete に登録する必要があります。

本記事では、Authlete サービスに登録されている OAuth / OIDC クライアントの設定に、JWK セットを登録する方法について説明します。
JWK セットの準備


本セクションは補助的な説明です。以下の JWK セットは実環境に対して適用しないでください。

まず、OAuth / OIDC クライアント側で、公開鍵を含む(秘密鍵を含まない)JWK セットを準備します。

ここでは例として、クライアントの管理者が mkjwk.org サービスを用いて、暗号用途の鍵ペアを作成するとします。ここでは以下の通り選択・入力しています。

項目
鍵タイプ EC (Elliptic Curve)
曲線 P-256
鍵の用途 暗号
アルゴリズム (なし)
鍵の ID SHA-256

「生成する」ボタンを押下すると、生成された鍵が各種形式にて出力されます。以下では、このうち「公開鍵と秘密鍵を含む JWK Set」を用います。

jwk-set-for-client_1
「公開鍵と秘密鍵を含む JWK Set」の生成

まず、秘密鍵を削除します。上記の例では、元の JWK セットは以下の通りです。

{
    "keys": [
        {
            "kty": "EC",
            "d": "4AEnTq3H8gcIutIoJCCZuv9GgWdKRaoJIXQkdM8r0UA",
            "use": "enc",
            "crv": "P-256",
            "kid": "_agec7UaYVN4c3RZQJQhUuR6nFSnqEXywv3QaIfFRFk",
            "x": "ilLNQ-Lcp_t5DBs9puJVI3JhwqlMndTILjkBrNd3Dsc",
            "y": "3Uy7NIHilkOWviGXMRIl2ZUE4L7Mc8ub4VhosE3l8t8"
        }
    ]
}

このうち、以下を削除します。

"d": "4AEnTq3H8gcIutIoJCCZuv9GgWdKRaoJIXQkdM8r0UA",

その結果、以下のようになります。

{
    "keys": [
        {
            "kty": "EC",
            "use": "enc",
            "crv": "P-256",
            "kid": "_agec7UaYVN4c3RZQJQhUuR6nFSnqEXywv3QaIfFRFk",
            "x": "ilLNQ-Lcp_t5DBs9puJVI3JhwqlMndTILjkBrNd3Dsc",
            "y": "3Uy7NIHilkOWviGXMRIl2ZUE4L7Mc8ub4VhosE3l8t8"
        }
    ]
}

この JSON を、クライアントの公開鍵の JWK セットとして用います。

JWK セットの登録

公開鍵の JWK セットを、OAuth / OIDC クライアントの設定に登録します。

クライアントアプリ管理者コンソールにて、当該クライアントの「JWK セット」タブ内にある「JWK セットの内容」に追加します。詳細については「クライアントの設定項目 - JWK セット 」をご参照ください。

jwk-set-for-client_2
クライアントの JWK セットの登録

これにより、OAuth / OIDC クライアントの JWK セットの登録が完了しました。